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前立腺

前立腺肥大症

前立腺肥大症とは

男性に特有の「前立腺」という生殖器があります。これは、膀胱の下にある栗の実ぐらいの大きさの臓器で、前立腺液を分泌します。前立腺液は精液の一部となり、精子を保護したり、精子に栄養を与えたりし、その運動機能を助けているのです。前立腺肥大症は、この臓器が肥大化し、排尿トラブルを引き起こす疾患です。

急性前立腺炎

  • 高い熱がある、だるい
  • 会陰部(えいんぶ;陰嚢の裏~肛門の間)に不快感、痛みがある
  • おしっこの時に痛み、違和感がある
  • おしっこが近くなった、出にくい

急性前立腺炎は主に尿道の出口から細菌が入り、前立腺に感染を起こして発症するもので、上記のような症状が出てきます。熱は38℃以上になることが多いです。性交渉などの誘因なく起こることも珍しくありません。
原因となる細菌は大腸菌が最も多いですが、それ以外の細菌も原因となります。治療を開始する前に細菌検査で原因菌を調べることが大切です。
治療は抗生剤が必須です。症状が強い場合や高齢者などは入院や点滴治療が必要となります。朝の熱が低くても夕方~夜に熱が上がることがあります。治療を開始して3-4日程度で熱のピークが低下傾向にあれば、良くなってきていると判断します。熱が下がっても2週間以上の抗生剤治療が必要になります。再発、再燃を防ぐためにしっかり治療をおこないましょう。前立腺肥大症などで残尿が多い場合には抗生剤投与のみでは改善しないこともあり、尿道カテーテルを入れたりして、たまった残尿を排出させるなどの処置が必要になることがあります。

急性前立腺炎は抗生剤を使わずに改善させることは難しい病気です。こじれると命にかかわる状態にもなる病気ですので、気になる症状が出てきたら早めに医療機関を受診しましょう。

慢性前立腺炎

  • 会陰部(えいんぶ;陰嚢の裏~肛門の間)の違和感、不快感、痛み
  • ペニスや陰嚢、睾丸の違和感、不快感、痛み
  • 下腹部の痛み、不快感
  • 恥骨周囲の痛み、不快感

慢性前立腺炎は骨盤内疼痛症候群などとも呼ばれますが、上記のような症状が、いつの頃からか何となく徐々に悪くなってきた、というような感じで自覚します。上記のほか下半身、下肢のしびれ、痛みなどを自覚することもあります。診察、検査などで、ほかに上記のような症状を起こすような病態がない場合に診断がつきます。
原因はよくわかっていません。骨盤内の血流のうっ滞が原因の1つといわれていますが、それがなぜ起こるかは十分に解明されていません。長時間のデスクワークや運転などの座った姿勢での作業や、気候、ストレス、疲れなどで悪化することがあります。また、長時間の自転車、特にロードバイクなどを長時間乗ることもリスク因子と言われています。そのような誘因がなくても、良くなったり悪くなったりします。そのような症状の変化がかえってストレスとなり、より症状を悪化させ悪循環になってしまうこともあります。
治療は、内服薬がメインとなります。もっとも一般的なのは植物エキス製剤ですが、細菌感染の可能性がある場合には抗生剤を併用することがあります。そのほか漢方薬や前立腺肥大症の治療薬、症状が強ければ鎮痛剤なども使われることもあります。特効薬というものはないので、標準治療をまず試して、効果が不十分ならほかの薬剤を追加したり、替えたりしてその人にあった治療を選んでいきます。また、十分な休息や気分転換をして、ストレスをためないようにするのも大切です。
不快な症状が続く病気ですが、命に関わるようなことは通常起こりません。焦らず、無理せず、長い目で見ながら治療をしていくことが大切です。この病気の患者さんの中には、医師に一度処方してもらった薬があまり効果がないと、病院を転々とする方もいらっしゃいますが、薬を試しながらどの薬がその患者さんに合っているかを選んでいくことも少なくないので、信頼できそうな医師に出会えたら、しばらくは腰を据えて診てもらうのも大切と思います。

「慢性」って・・・治らないのですか?

薬による治療を開始するとある程度症状は和らぐ人が多いですが、完全にすっきり治るまでは時間がかかる場合もあります。内服中も症状は良くなったり悪くなったりすることがあります。良くなったり悪くなったりを繰り返しながらも、徐々に軽減していく場合が多いですが、一度よくなったと思っても、また何かの拍子に症状が出ることもあります。なぜそうなるかはわかっていません。季節やストレス、疲れなどによって症状が出たり軽くなったりする人もいますが、そうでない人もいます。大半の患者さんはそのような経過をたどりながらも治っていく、あるいは気にならない程度まで改善していきますが、焦りは禁物です。一刻も早く治そうと思うとかえって逆効果にもなります。治療に専念する、と気合を入れるより、症状をなだめながらしばらくはうまく付き合っていく、くらいの心構えでいられると良いかと思います。慢性前立腺炎の大半の患者さんは治りますが、医師とともに焦らずゆっくりじっくり向き合うことが大切です。

日常生活での注意はありますか?

一般的にはロードバイクや自転車に長時間乗ること、ストレスをためることは避けたほうが良いとされています。そのほか、患者さんによっては、長時間座っているのがダメだったり、お酒を飲むと症状が出たり、クーラーの効いた場所がダメだったりする人もいます。このような症状を引き起こすきっかけになることは避けるようにします。定期的な運動や趣味などで日常のストレスを解消することは、症状の軽減につながることが多く良いことです。

前立腺がん

前立腺がんは男性特有の臓器である前立腺に発生する癌です。中高年の方に多く発生する癌で、日本では近年増加傾向にあります。

前立腺がんの原因は他のがんと同じように様々な要因が複合的に絡み合っていると考えられていますが、遺伝的要因は危険因子ですので、や祖父などに前立腺がんを発症した方がいる場合は、定期的に検査を受けられるとよいでしょう。また、食生活の欧米化により肉類など動物性脂肪の摂取が多くなったことも関与しています。なお、前立腺肥大症との因果関係は今のところわかっていません。

前立腺がんは早期には特有の症状はなく、前立腺肥大と似た症状が出るくらいです。ただし、前立腺がんにはPSA(前立腺特異抗原)という特有の腫瘍マーカーがあり、このPSA検査により早期発見が可能です。PSA検査は検診などで行われることも多くなりましたが、少なくとも50歳を過ぎたら一度はチェックすることをおすすめしています。

PSAが高ければ前立腺がんの診断がつくわけではなく、MRI検査や最終的には前立腺針生検を行ないます。生検により前立腺癌細胞の存在が確認されて初めて前立腺癌と診断されます。生検で癌が見つかった部位や悪性度(グリソンスコア)、転移巣の有無などにより治療の要否、方法を選択していきます。

治療については、年齢や悪性度などによっては無治療経過観察という選択肢もありますが、大きくは手術治療、放射線治療、薬物治療があります。
手術は前立腺、精嚢、リンパ節を摘出します。前立腺は尿道の一部なので、前立腺を摘除した後はは尿道と膀胱をつなぎ合わせます。開腹手術、腹腔鏡手術のほか、最近は主に手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いたロボット手術も広く行われています。ただし、手術による合併症として、尿失禁、勃起障害などがあります。
放射線治療は放射線を用いて治療する方法ですが、放射線を照射する方法はいろいろあります。前立腺周囲の臓器である直腸や膀胱にできるだけ放射線が当たらないように工夫が行われ、原体照射やIMRT(強度変調放射線治療)が行われています。そのほか重粒子線や陽子線といった放射線治療の方法もありますが、大がかりな設備が必要であり、どの病院でも可能なわけではありません。また、治療効果を高めるため、放射線療法と合わせて内分泌療法を併用することも多くあります。
前立腺癌の薬物療法は内分泌療法と化学療法があります。前立腺癌は男性ホルモンによって増殖、進行するので、この男性ホルモンを抑える治療が内分泌療法です。手術や放射線と組み合わせて使われるほか、転移のある前立腺癌で行われます。内服薬や注射薬が使われますが、さくらクリニックでも行うことが可能です。化学療法は主に点滴で薬を投与し癌を治療します。主に転移がある癌で内分泌療法の効果がなくなった場合などに用いられます。

PSAが高い

検診や人間ドックでPSA値が高いといわれた

PSAは前立腺がんの腫瘍マーカーとして広く知られるようになってきました。ドックだけでなく検診でPSA値を測定することも行われるようになってきており、現在は前立腺がんのほとんどはPSAの異常から診断されています。しかし、PSAが高いだけでは前立腺がんと診断することはできません。

PSAって何なの?

前立腺から特異的に分泌されるタンパクで、主に尿中に排泄されますが前立腺癌では分泌量が多くなり血中にもたくさん出てくるようになります。このため血液検査で高値となり前立腺癌の腫瘍マーカーとして利用されます。

PSAが高かったら?

PSAが高い場合、前立腺癌の可能性を疑うわけですが、前立腺癌以外でも、前立腺肥大症や前立腺の炎症などでPSAは上昇します。また、加齢によっても徐々に上昇しますので、PSAが高いからといってすぐに前立腺がんと診断できるわけではありません。
泌尿器科医はPSAの数値だけでなく、年齢や、尿路感染症の可能性がないか、前立腺肥大はないかなどを含め、まずは尿検査や直腸診などをおこなって判断します。MRIも前立腺癌の診断に有用であり、広く行われるようになっています。しかし、最終的な前立腺癌の確定診断には前立腺生検(組織診断)が必要です。前立腺の組織を採取し、前立腺癌細胞が存在するかで確定診断となります。前立腺生検は全身麻酔や腰椎麻酔といった麻酔をおこなう場合は1-2泊の入院で行う施設が多いですが、さくらクリニックでは局所麻酔で日帰りで行なっています。患者さんの全身状態や合併症の有無などで適応を判断する場合もありますので、どのような生検が望ましいかは、医師とご相談されることをお勧めします。

PSAが正常値なら大丈夫?

PSAの基準値は4.0ng/ml以下としていることが多いと思いますが、PSAが基準値以下でも癌が存在する可能性はあります。年齢や前立腺肥大の有無でPSAは変動しますので、年齢によって基準値を分けるべきという意見もあります。50-60代以下の若い人でPSAが高めの人や、正常範囲内であっても年々上昇傾向にある場合は早めに泌尿器科を受診することが望ましいです。また、前立腺癌は遺伝性もありますので、血縁に前立腺癌になった人がいる場合は、早めに一度PSA検査を受けることをお勧めします。

前立腺生検まで行なって癌はなかった場合は?

PSAが高くて、前立腺生検まで行なったが癌が見つからなかった場合は、前立腺癌と診断することはできません。しかしそれで終わりというわけではなく、定期的にPSAのチェックは必要です。正常値に低下すれば問題ないと考えますが、相変わらず高いままだったり、どんどん上昇していく場合などは、癌を見逃している可能性、新たに出現した可能性などが考えられますので、再度前立腺生検まで含めた検査をおこなうか相談が必要です。一度生検すれば大丈夫というわけではなく、癌がなかった場合でも定期的な経過観察、PSA値のチェックは重要です。

さくらクリニック

診療科目

泌尿器科、内科

住所

東京都北区岸町1-3-1 伯清王子ビル3F
※エレベーターあり

アクセス

JR、東京メトロ南北線「王子」駅から徒歩1分
都電荒川線「王子駅前」駅から徒歩2分

電話番号

03-3908-0001

診療時間

日祝
9:00~13:00
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休診:日曜、祝日、木曜午後、土曜午後

イラストマップ

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